地方公務員はキャリアを考えにくい職業なのか?
「約3年ごとに異動があるから、キャリアなんて考えなくていい」「上の言うことを聞いていれば、そのうち昇任もある」「どうせ自分の希望なんて通らないし…」
今回は、地方公務員がキャリアを考える上で感じやすい“壁”と、その壁の越え方について、私自身の体験も交えてご紹介します。
地方公務員がキャリアを考えにくい3つの理由
1. 希望が通りにくい「異動制度」
異動希望は出せるものの、実際に通るケースは少ないと感じている方も多いのではないでしょうか。私も15年以上の公務員生活の中で、市役所内異動で希望は叶った事がありません。
数年ごとの異動で多様な経験を積める一方で、やっと慣れたタイミングでの異動が続くと、「また振り出しか…」という感覚に。自分で選び、積み上げてきたという実感を得にくい構造があるのです。
2. 年功序列と昇任ルール
試験制度が導入されつつあるとはいえ、依然として年功序列的な昇任制度が根強く残る自治体もあります。そのため、「頑張っても評価されない」「待っていれば順番が来る」という空気が広がり、モチベーションの低下や主体性の欠如につながることも。
3. 「キャリア=転職」という誤解
「キャリア」という言葉に、“中央省庁”や“転職志向”のイメージを持つ人も多いかもしれません。特に公務員の世界では、「キャリア組=官僚」という印象が根強く、本来の意味である「人生及び人生全体の歩み」とは離れて受け取られてしまうことがあります。
しかし実際のキャリアとは、「どこで働くか」以上に「どう働くか」「どう生きたいか」を考えること。今の職場にとどまるとしても、自分の意識次第でキャリアの質は大きく変わるものです。
それでもキャリアを考える意味
こうした構造的な制約があるからこそ、「自分のキャリアを考えること」には大きな価値があります。
- 今の業務でどんなスキルを磨くか
- どんな仕事にやりがいを感じるか
- どんなスタイルで働きたいか
こうした問いは、「異動の結果」ではなく「異動先でどうあるか」に影響を与えます。自分の意思や視点を持つだけで、働き方そのものが変わります。
おわりにーキャリアは「在り方」そのもの
キャリアとは、転職や昇進だけで測るものではありません。日々の仕事にどんな意味を見出し、どう向き合うか。その“在り方”こそがキャリアの核です。たとえば、次の部署でどのように活躍したいかを意識するだけでも、受け身から主体的な働き方に変わっていきます。
「地方公務員はキャリアを考えにくい」確かにそう感じる瞬間もあります。しかし、自分の経験や価値観を見つめ直すことで、点と点が線につながり、“自分だけのキャリア”が見えてくるはずです。
Civireerでは、地方公務員の皆さんが「今の自分」と「これからの自分」に前向きに向き合えるよう、さまざまな視点やきっかけをこれからも届けていきたいと思います。
📎 この記事はnote記事をもとに再編集しています。
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