安定ってありがたい。でも…
「公務員は安定してていいね」
そんな言葉を、これまで幾度となく耳にしてきました。
地方公務員として働きはじめて十数年──確かに安定した収入や立場はありがたいものです。家族を持つ身としては、生活基盤が守られていることに安心感もあります。
けれど、ふとした瞬間に胸をよぎるのは、こんな疑問です。
「このまま、ずっとこの仕事を続けて、自分はどうなっていくんだろう?」
安定しているからこそ見えにくくなる“変化”や“挑戦”。それは時に、キャリアを止めてしまう「魔法」のようなものかもしれません。
“安定=正解”だった時代と、揺らぐ価値観
かつての日本では、「大企業」「公務員」「銀行」といった“安定”の象徴が、社会的な“正解”とされてきました。そして今もなお、「子どもになってほしい職業」ランキングでは公務員が上位に。
安定を求める親世代の気持ちは、今も根強く残っています。
しかし、自治体を取り巻く環境は日々変化しています。人口減少、財政の硬直化、多様化する市民ニーズ。公務員だからといって、すべてが守られる時代ではありません。
異動を繰り返しながら様々な経験を積む中で、私はこんな思いを抱くようになりました。
「地方公務員という仕事を通じて、私はどう成長したいんだろう?」
「このまま定年まで、同じように働き続けることが、自分にとっての幸せなんだろうか?」
そんな中、「市役所内でゆるく学び合える場があったらいいな」という思いつきから、自主勉強グループを立ち上げました。きっかけは小さくても、「動きたい」「変わりたい」という思いが背中を押してくれました。
気づけばその活動が、他自治体や大学、民間の方々との出会いへと広がり、自分の中の“学び”の視点を育ててくれました。キャリアコンサルタントの資格取得にもつながり、視野が一気に開けたように思います。
「安定の中で動く」選択肢もある
結果として、MALT研究会を通じて多くの仲間とつながり、学び合う中で、新たな視点や刺激を得ることができました。そして、キャリアコンサルタントの資格取得にも挑戦し、「自分のキャリアを自分で選ぶ」感覚を持つことができたのです。
大事なのは、「安定だからこそ、何かに挑戦できる」ということ。安定を“変わらないための言い訳”ではなく、“動き出すための土台”にできたなら、キャリアはきっともっと自由になる。
私は「安定=悪いこと」とは思っていません。むしろ、安定しているからこそ挑戦できることもあるはずです。
だからこそ、もし今少しでも「このままでいいのかな」と思う気持ちがあるなら、“安定の中で動く”という選択肢を持ってほしい。
自分のキャリアを、“自分の問い”から始めてみませんか?
📎 この記事はnote記事をもとに再編集しています。
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